業務対応をしているなかで大なり小なり交渉毎は発生するかと思います。なぜか相手の有利な方向に流されることがよくあるという方はいませんか?そんな方の参考になればと思い、代表的な認知バイアスである、「アンカリング」、「フレーミング」について本記事で紹介していきます。
アンカリング・フレーミングとは
アンカリングとは、状況を認識する情報得る/与えること
フレーミングとは、ものの見方や捉え方(枠づけ)
アンカリングについての説明
私たちが状況を認識する撚り所となるのが”アンカー”
アンカーには以下のようなものがあります。
- 認識されやすい情報
例えば初めて会う方との会話の中で、同じ出身地だったなどは意識に残りやすくなります。 - 単純化によるもの
例えば1つ200円だけど、3つで500円とすると単純化されてより意識に残りやすくなります。 - 過去の経験
例えば業務対応をしているときに顧客から突然の依頼を即時対応を続けると、即時対応してくれるものという意識が顧客に残ります。
交渉する際に、最初の条件を与えるのがアンカリングになることが多いです。そのため、どうアンカリングするかは交渉において重要になります。
例えば値段交渉で、売り手が最初の言い値を高く言った方が、逆のケースに比べて、最終的な妥協額は高くなる傾向があるという実験もあります。
フレーミングについての説明
フレーミングとは、特定の方向に見方が誘導されることです。
- 例えば、コップ半分の水のコップを見たときに、「水が半分も入っている」という人と、「水が半分しかない」という考える人がいます。
- 空のコップとコップ半分の水のコップを並べると、コップ半分の水のコップは、「水が半分も入っている」と考える人が増えます。
- うまく使うことで意識を誘導することができます。
アンカリング・フレーミングの例
アンカリング・フレーミングの影響はとても強く、私たちの身の回りにも数多く見られます。
例①テレビショッピング
アンカリング:
普段は4万円のところ、あれこれオプションつけて何とお値段1万9千800円
4万円がアンカーになります。そのうえで、たくさん買ったのに値段が安いというフレーミングになります。
例②高額な商品の購入
アンカリング:
分割で払えば月々の携帯代と同じくらいのお値段で指輪が買えます。
トータルで払うお金は分からないですが、1度の支払いのお金を小さくすることでこれなら買えるかもと思わせるのがフレーミングになります。
まとめ
より有利な交渉をするために
交渉時に、まず自分のアンカーを自覚することが大事です。いつも客観的に自分を見て何が自分のアンカーになっているかを考えるようにしましょう。
アンカーが自覚出来た後は、アンカー以外の拠り所を見つける/示すことが重要です。
必要に応じて、リフレーミング(枠づけの転換)を行うことも重要になります。相手がどのような認識でいるかを把握したうえで、人を変えたり、進め方を変えたりして枠づけの転換を実施したりします。
注意点としては、人それぞれ、フレーミング・アンカリングは異なります。誰の視点から見たフレーミング・アンカリングなのかを意識するようにしましょう。代表的な認知バイアスである「アンカリング」と「フレーミング」を理解しうまく交渉できるようにしましょう。